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ryudo

近現代史がすきなミーハー

のぼさん

『ノボさん 小説正岡子規夏目漱石伊集院静

を年末年始とたのしく読んでいました。

 

bookclub.kodansha.co.jp

 

歴史上の人物ですきなひとをあげて、といわれれば

と三本指を折ります。自分でも傾向がわからないのですが、けっこう長らくすきなのでこうおもい至るたびにすきなんだなあと感じます。

社会科がすきだった小学4年生のわたしは来年から歴史の授業がはじまるということでなにをおもったか「図書館にある伝記をそれまでに全部読もう」と片っ端から借りていっていました。そこで惚れ込んだのが坂本龍馬杉原千畝。このせいで大学に行ってまで国際政治を勉強することになったのですがまあそれは置いておいて、そのふたりに遅れて中学校の国語の教科書で作品に触れてすきになったのが正岡子規、ノボさんでした。

 

そんな『ノボさん』の文字が表紙に踊る上下巻に分かれている文庫本を書店の平台でみつけ、手にとったのはちょうど去年のいまごろのような気がします。「ノボさんが主役の小説があるぞ!」「伊集院静さんってよく聞くのだけれど読んだことがなかったなあ。たのしみだなあ」とほくほく連れ帰ってからまるまる1年経ちようやく読了です。

前記事でも触れた文豪とアルケミスト関連で、「正岡子規という(本人や関係者の著書や『ノボさん』のような創作物を通しての)キャラクターがすきなひとはノボさんが元気にべーすぼーるをしていればそれでしあわせ」といようなつぶやきをみたのですが本作前半を読みながら本当に「それな!」という感じでした。(だから野球青年な正岡子規をうっかりみてしまい文アルをはじめ、『月に吠えらんねえ』でけして「死なない」シキさんの登場に頭を抱えてよろこぶわけなんですよね。このこともいつか書きたいなあ)

 

とりあえず読んでの感想は、ノボさんへのすきが募った感じとなりました。本編中でも「ひとたらし」といわれたノボさんにまんまとたらしこまれました。青空の下で白球を追うノボさんがなによりもまぶしい。

歴史ものなのにすごく読みやすい……! と感動した文章もあいまってあっという間にに読んでしまったので、35年を疾走したノボさんの人生がほんとうにあっという間で「わたしも30代前半までにやったぞ! とおもえることができたらなあ」という小中学生のころの野望がひさしぶりにむっくりと頭をもたげました。こうやって小説なんか出会う人生は脚色や創作、作者の力もあるのしょうがやっぱりすごく濃密でグッと、グッと(語彙)

ノボさんが力一杯いとおしいのはもちろんなんですが、題名にも名を連ねる正岡子規の畏友 夏目金之助くんこと若かりし夏目漱石の描かれかたがとてもすきでした。ふたりの出会いから親交を深めていくのを親戚のおばさんのようなきもちで見守っていました。手紙のやりとりをみるたびに、夏目漱石は溜まってくるとまとめて燃やしていたけれど、記録魔正岡子規は出したのも受け取ったのもすべてかきとめていたっていう逸話をおもいだしてなんだかにやりとしてしまいました。岩波さんからでてる書簡集読みたいなあと強くおもう。

漱石・子規往復書簡集 - 岩波書店

 

そんな夏目くんの『こころ』の版元でもあった岩波さんの創業者岩波茂雄さんもでている本に図書館で出会って読みはじめました。おもしろいです。

www.php.co.jp

 

2016年は夏目漱石没後100年でしたが、今年は正岡子規夏目漱石ともに生誕100年(露伴も紅葉も外骨も緑雨も! 豪華だな)!! 元旦の朝日新聞にはノボさんの特集記事がありよろこびました。それに、ノボさんは記念展も全国をまわるらしいのでたのしみでしかたがありません。忘れずにみにいきたい。

 

 

『ノボさん 小説正岡子規夏目漱石』 伊集院静

上巻2016年12月28日読了

下巻2017年1月3日読了